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オペラティーコラム Vol.9 2005年5月29日 マノン・レスコー


【コラム・第1幕】 夏到来を祝うパリの音楽祭

フランスに住んでいたころの1997年6月28日、
パリは、「FETE DE LA MUSIQUE」という音楽祭の日でした。

バスティーユ広場の人混みをくぐりぬけ、道一杯に散らばった
シャンパンの空き瓶の破片やビールのつぶれた缶を用心深く避けながら
辿り着いた先は、オペラ座。

音楽祭とは、夏の到来を祝って毎年行われている音楽の祭典で、
街中で誰もが自由に楽器を奏で、歌を唱うことを許された日です。

大ホールから、地下鉄の車内や小さな路地裏まで、パリの至る所で、
飲んで歌って踊り狂うために繰り出して来た、老若男女を交えた大観衆の前で、
プロからアマチュアまで、ミュージシャンたちが、こぞって歌や演奏を披露します。

朝から晩までとにかく誰もが音楽三昧!という、(また、無料で観賞する
ことができる)夢のような楽しい1日なのです。

けれどまた、人の集まるところには災いあり、喧嘩あり、気違いも酔っ払いも
みんな等しくハイテンションになれる日でもあるから、この1日をパリの街の中で
過ごすには、かなりのエネルギーを必要とするのではないかと思います。

そこで、わたしにとって、3回目を迎えたその年のパリの音楽祭には、
のんびりと優雅に音楽祭の1日を過ごすべく、オペラ座で
オペラの「マノン」を観賞することに決めたのでした。


【コラム・第2幕】 ルネ・フレミングの「マノン」に心震えた夕べ

「マノン」とは、オペラになるべくして生まれた恋愛小説、
アヴェ・プレヴォの「マノン・レスコー」が原作のオペラです。

実際の小説は、主人公の騎士、シュバリエ・デ・グリューが、
豪奢に着飾り、娯楽に溺れた日々を送ること無しには生きて行けない
恋人マノンを愛するがゆえに、しだいに地位や名誉や良識を失ってゆき、
その恋人の気持ちを満たしつづけるために、ついには罪をも犯し、
底知れぬ不運に陥っていってしまいます。

それを主人公のシュバリエ・デ・グリュー自身が、人に語っている形式で
小説にしたもので、片時も心を離れることのないマノンへの深い愛や
甘い気持ちや耐えられないほど不安な気持ち、そして人間の心の奥底
にあるものが表出した、あらゆる猾さや陰険さ、苦悩や憎しみなどの感情が、
すべて余すところ無く淡々と描写されているところもまた興味深い小説です。

また、この作品がオペラになると、18世紀のフランスの貴族社会の豪華絢爛さや
愛欲や人々からの注目など、マノンが憧れ、求めてやまなかった世界が舞台の上
に繰り広げられるのを芸術的な表現として存分に楽しむことができます。

また、その舞台の上の華やかさを彩るのに、マノンを演じたディーヴァ、
ルネ・フレミングという歌手の、歌唱力といい表現力といい、マノンそのもので、
王妃のような妖婦のようなマノンを見事に演じきっていました。
その歌声に心震え、いつものパリの音楽祭とはひとあじ違った、優雅で
贅沢な夕べとなりました。


【コラム・第3幕】 アヴェ・プレヴォの小説「マノン・レスコー」から

この小説は、著者アヴェ・プレヴォ【※1697年〜1763年。貴族の生まれで、
絶えず激しい情念に悩まされ、波乱に満ちた生涯を送ったといわれるフランス
の小説家。】の自伝的小説と言われています。

<自分の良識の部分>と<社会原理に対する批判的な部分>の二面性を
親友として登場する<チベリ>と主人公の<デ・グリュー>に置き換えている
のではないか、と言われています。

ふたりが、行き着くところ知らぬ不運に陥ってゆくことになったのは、
マノンの「無垢」さとデ・グリューのマノンに対する「愛の深さ」によったと思うのです。

一人の女性を愛するために自分のすべてを捧げ尽くす情熱だけが、
生きる力となっていたデ・グリューにとって、地位も名誉も義務も社会の常識も
そして法律さえも煩わしくて無価値なものとなり、
「愛しあう恋人同士にとっては、宇宙全体が祖国」とさえなるのでした。

遊戯と快楽をこよなく愛し、デ・グリューにとっては裏切りでしかなかった行為を
幾度も繰り返すマノンは、最後には、

「私は、軽はずみで気まぐれでした。そしてどんな時でもあなたを夢中に
愛していながら、結局わたしは、恩知らずでした。」

と気が付き自分をとがめ、あわれな恋人に苦労を掛け続けていたことを
心の底から嘆き悲しむのです。

もしかして、マノンの「心」は、一度だって娼婦であったこともなければ、恋人を
裏切ったことも無いのではないでしょうか。良識を物指しにして、幾度かマノンに
疑いの気持ちを抱いたデ・グリューも、心の奥にはいつも変わらずマノンを信じる
力があったのかも知れません。

この恋を通して、本当の人間の幸せの意味を親友チベルジュとの
会話の中で見つめて行きます。

チベルジュは、<世間は、この二人の恋を矛盾した無分別なものである、
というだろうけれども、苦悩の日々と不運な運命の中ですら、
「恋の喜びは、この世で最も完全な最も大きな幸福である」>
という思いを抱いていくようになるのです。

マノンという純真無垢な一人の女性の生命が、デ・グリューの
両の手の平から砂がこぼれ落ちてゆくようにして絶え果て、
そしてこの二人の恋は、植民地であったアメリカの
ヌーベルオルレアンの大草原の中で幕を閉じるのです・・・

終わり。


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(たっぷりのマンゴーの花とマンゴーの実を煮だし、その蒸気を
ユンナン茶葉に吹き付けて)香り付けをし、さらにふんだんに
マンゴーの花びらとマンゴーの実が入った紅茶です。

さわやかな甘い香りにくらくらくら・・・

今日から、フルーツ・ティーに仲間入りしました「マノン」です。
どうぞよろしくお願いします。

『フルーツティー・マノン』の詳細はコチラからご覧下さい
フルーツティー・マノン
(ユンナン茶・マンゴーの花&マンゴーの実)

500円(35グラム)



御意見・感想などございましたら、コチラまでお送り下さい!
cfj@opera-t.com





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