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ティーカップの中のオペラ

スペシャルコラム Vol.4 2005年1月27日 メリー・ウィドウ


「笑う角には福来たる」。新しい年は笑って始めたい、ですよね。そこでフランツ・レハールの『メリー・ウィドウ』をお勧め。幕が上がった瞬間、嫌な事や悩み事は頭から吹き飛んでしまう。序奏のギャロップの底抜けに明るいことといったら!苦虫をかみつぶしたような顔をしてる人だって、思わず口元が緩むに違いない。
ウィンナ・ワルツに心地よく揺れながら、粋な外交官ダニロと、
莫大な遺産を相続した美貌の未亡人ハンナの、もどかしい大人の恋物語に
耳を傾けてみよう。舞台は20世紀初頭、花の都パリ。
ワルツの合間に東欧風の舞曲ありフレンチ・カンカンありと舞台は
踊りながらめまぐるしく変化する。
多彩な様子はまさに「ヨーロッパの首都」であったパリを思わせる。

初演はちょうど100年前の1905年。
オペレッタの「白銀時代」の幕開けとなった作品。
当時は、財政難に苦しんでいたアン・デア・ヴィーン劇場を救うほどの人気がでたそ
う。19世紀を凝縮し、ヨーロッパの古き良き時代の最後に咲いた、幾重にも重なる花
弁をもち、芳香を放つオールドローズのようなオペレッタ。けれど良い香りのするバ
ラがはかないのと同じように、まもなく庶民の娯楽はオペレッタからミュージカル、
映画へと変わっていくのだっけ。
レハールは「オペレッタのプッチーニ」といわれ、作品には異国情緒が漂う(例えば『ほほえみの国』は中国が舞台でしたね)。

ハンナの歌う「ヴィリアの歌」は、故郷ポンテヴェドロ(架空の国)を思いながらの、哀愁を帯びた調子で、初めて聞いた時から何故かしら懐かしさを感じる歌。特にシュワルツコップが歌うと、気品があって、知的で、しかも可愛いらしく何度聞いても飽きない。

彼女の歌声を聞きながらオペラティーの『メリー・ウィドウ』を飲んでいると、キャラメルの懐かしく柔らかな甘さも手伝って、昔の事をつらつらと思いだしてしまう。後で笑いながら思い出せる出来事が、今年も起こりますように。


御意見・感想などございましたら、コチラまでお送り下さい!
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